希望と現実

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事実その抜け道を掻い潜ったやつが居た。 やつは帽子から溢れんばかりの髪の毛を携えやってきた。 『お前ー就業規則を読んでないのか?』上司に怒られる。 『これアフロっすから』 抜け道。会社の鉄の掟。それにに針の穴の大きさも無かった穴をこじ開けたのだ。 または『就業規則第3項出勤時はスリッパを認めない』 あれが無かったあの頃には鉄の掟に見えた。 『こらー出勤時はスリッパは認めんぞ』 『あっ!これクロックスですから』 文明の進歩は恐ろしい。 だがこれはまた別の話である。 俺たちは半ばどうでもよい就業規則を聞き流し、一日を終えた。
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