秋の夜長

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不安に目覚める秋の夜長 そんな時は窓を開け 空を見上げる ひんやりとした空気に 身震いしながら 夜の声を聴く 静寂… … … いや、 夜でさえ世界に静寂などない 草むらの虫の声に 遠くを走る車の音 そして星たちのささやき… 気づけば闇を寄せつけないほどの 光に満ちている 月だ でもその姿が見えない また不安になる 存在を感じながら 見えないことに怯える 冷たい空気を肺に流し込み 深くゆっくりと吐く そして気づく 月は私の真上にいるのだ 大丈夫 ちゃんとそこにいる 私は月に護られている 目を閉じてそれを感じる そしてまた夢の世界へ還る…
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