プロローグ

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僕は変わっていたのかもしれない。 十六歳の時、 友達の家でこっそりと ビデオ大会があった。 家族は留守にしている というところで 内容は想像に かたくないと思う。 ビデオの内容が 進行していく中、 静かにポテチから テレビ画面へと、 集中力と熱気が 増していく。 主演の女優さんの声が しどけないものに変わる頃、 僕は無意識に 口に出していたようだ。 「アングルが悪い。 光線を当てすぎている。 この“え”じゃ 狙い通りに 映像に出てないはず。 僕がカメラで撮るなら」 「風見、またか。うるさい。」 「帰って写真でも眺めろ。空気読めない奴。」  こんな調子だった。
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