#1-年明け

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弟の話しをする彼を見るのが好きだ。 優しくて強いお兄さんなのがよくわかる。 「楽しみだわ。」 「良かった。レストラン予約しとく。」 「うん。」 カチンとお互いのグラスを寄せ合い、2人して一気に飲んだ。 「シャワー浴びる?」 「うん。」 「一緒に?」 「ううん。」 「あ、そ。」 「うん。」 元々そんな気無いくせに。 少し微笑んだ彼を愛しく感じた。 さっさとバスルームに向かい、熱いシャワーを浴びた。 この光景が信じられないような、それでも知っていたような。 不思議な感じだった。 初めから凄く溶け込んでいる。 ピタッとパズルがはまったような、そんな感じによく似ていた。 全てをわかった上で私を受け入れてくれた彼。 きっと頭がおかしいんだわ、と本気で思う。 本人もよくわかっていないようだった。 キュッと蛇口を締め、バスルームを出ると電話で話しているような声が聴こえた。 話し方から察するに担当の医者だ。 年が明けたばかりのこんな夜中に。 「もちろんですよ。はい、はい。ええ‥」 相槌ばかりで内容はよくわからない。 .
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