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対する彼は、尖走の覇者。
ゼロから競技を始めた彼は、たった2年足らずで世界の頂点へと駒を進めてきた、才能溢れる少年。
「結果的に焼き尽くされることになろうが、僕はそれでも構いませんよ。――……最終的に、あなたより先にゴールテープを切ることが出来るならね」
茶色の混じった黒髪はベリーショートに刈り込まれ、はっきりした目鼻立ちと相まって彼を非常に爽やかに見せている。
彼が背に背負うのは、彼女と相反する純白の4枚翼。
どこまでも真っすぐな気持ちを表現したかのように、白の翼は伸びやかに広がり、以前までは決して持ち得なかった『威圧感』を放っていた。
《漆黒の聖魔》
羽瀬川礼。
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