言葉のゴミ箱(起)

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棄てたい言葉は山ほどある。大学でも職場でも、吐き出したい言葉は毎日作られ、けれど棄てる場所は無く、俺の中で消えていく。そして出来るのはストレスだ。 ストレスもうまく発散出来ない俺は、不要物が溜まっていくばかり。それに腹が立ち、さらにストレスが増幅する。 まさに負の悪循環。どこかで爆発して大量殺人でも始めるかもしれない。 「まだ売ってるかな……」そんなに高くなかったはずだけど。 ベッドの上で目を閉じる。財布の中を思い浮かべ、自由に使える金額を割り出した。 おもちゃを買うには十分な金額が算出された。 「まあ、気休めにね」 気休め気休めと繰り返す。最近、本当に独り言が多くなった気がする。 もしゴミ箱が買えたら、独り言も棄ててしまおう。そう思いながらその日は寝てしまった。  
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