お休みの日に

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  少し風があるけど良い天気だ   栄口は、空を見上げてそんな事を考ながら 洗濯物を干していく。 足元のカゴには家族10人分の洗濯物が積まれていたが、それも既に大部分が気持ち良さげに風に揺られていた。   このぶんならお昼までには乾くかな?   元気に輝いているお日様をみて栄口はつい笑みがこぼれる。   「栄口ーっ!干すの手伝おうかー?」   階下からの声に一旦手を止める。 残るは数枚のシャツとタオルだけだ。   「んー大丈夫!もう少しで終わるから!ありがとなー西広ーっ」   日曜だと言うのに早起きして手伝おうとしてくれる西広に嬉しくなりながら栄口は作業を再会する。     今日は日曜日   同居人たちは未だ夢の中だ。   高校生の阿部と水谷は昨日遅くまで予習と復習に追われていたし 年中組は野球のナイターをみて騒いでいたから まだ起きて来ないだろう。     これが終わったら朝食の準備だ。 味噌汁はもうできているから あとはハムエッグでも作ろうか……       「よしっ!洗濯物しゅーりょー……っと!!」   綺麗に並んで風をうけている洗濯物たちを満足そうに見上げて、一回伸びをする。   「次の仕事次の仕事っと!」   そういうと、栄口はカラになったカゴを抱えてベランダを後にした。
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