お休みの日に

5/31
前へ
/33ページ
次へ
  高校生二人の部屋の隣は年中組の部屋になっている。 真夏の暑い日は家族みんなクーラーのある居間で寝ることが多いが、今年はまだ大丈夫だろう。   栄口は薄く開いたままのふすまに手をかけた。   「ほらみんな起きてー………って…起きてるね…。おはよっ」   「「「おはよー」」」   みんな眠そうに目を擦りつつも挨拶を返した。 沖と泉はまだ瞼が重そうだが、 既に起きていた西広と巣山は布団までたたんでいる。   さっきの二人とのこの差は一体なんなのか…………   栄口は苦笑して高校生二人をおもった。   「もうご飯できてるから、みんな顔洗ってきな?」   「わかった。ほら沖、泉っ行くよ」   西広がまだ眠そうな二人を促して居間へと連れていく。   巣山はというと 全員分の布団をたたみ終え、もう一度栄口に「おはよ」というと自分も部屋をでた。   「ほんと助かるよ………」   いつも仕事を手伝ってくれる西広と巣山に感謝して、栄口はつぶやいた。 この二人のおかげで大分らくになっている事が多いのだ。   そして再び年長組二人をおもう。   「これじゃあほんとにどっちが年上だかわかんないね……。」  階下から聞こえる水谷の騒がしい声を聞いて 栄口は小さくため息をついた。 
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

432人が本棚に入れています
本棚に追加