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高校生二人の部屋の隣は年中組の部屋になっている。
真夏の暑い日は家族みんなクーラーのある居間で寝ることが多いが、今年はまだ大丈夫だろう。
栄口は薄く開いたままのふすまに手をかけた。
「ほらみんな起きてー………って…起きてるね…。おはよっ」
「「「おはよー」」」
みんな眠そうに目を擦りつつも挨拶を返した。
沖と泉はまだ瞼が重そうだが、
既に起きていた西広と巣山は布団までたたんでいる。
さっきの二人とのこの差は一体なんなのか…………
栄口は苦笑して高校生二人をおもった。
「もうご飯できてるから、みんな顔洗ってきな?」
「わかった。ほら沖、泉っ行くよ」
西広がまだ眠そうな二人を促して居間へと連れていく。
巣山はというと
全員分の布団をたたみ終え、もう一度栄口に「おはよ」というと自分も部屋をでた。
「ほんと助かるよ………」
いつも仕事を手伝ってくれる西広と巣山に感謝して、栄口はつぶやいた。
この二人のおかげで大分らくになっている事が多いのだ。
そして再び年長組二人をおもう。
「これじゃあほんとにどっちが年上だかわかんないね……。」
階下から聞こえる水谷の騒がしい声を聞いて
栄口は小さくため息をついた。
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