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「おれあのみそしる好きー!」
三橋の手をしっかり握って部屋を出ると
階下から良い香りと共に騒がしい声が聞こえてくる。
なんせ男ばかり10人で暮らしているのだから仕方がないだろう。
田島は一歩後ろをくっついてくる三橋を振り返った。
すると一瞬びっくりしたような顔をしたあと、大きくコクりと首を振る。
「う、ぉ」
「おー!あぶらあげウマイよな!!おれも好き!」
田島は幼い弟分にもう一度ニカッと笑いかけ、手を引いて一階へと続く階段に足をかける。
すると視界の端で何かが動いたのに気が付いた。
一番奥の和室だろう。半分程ふすまが開いているのがわかる。
田島は一瞬考えた後
「あっ!そうだ」
と納得した表情で進行方向を和室へと変えた。
三橋は少し困惑ギミに「?」と首を傾げて田島を見つめる。
そんな三橋をみて田島はニシシっとイタズラっぽい笑みを浮かべた。
「朝ご飯はみんなでたべないとな!!」
「あれー?チビたちはまだ夢の中?」
やっと顔を洗い終わって居間にきた水谷はキョロキョロと辺りを見回した。
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