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「ゲホッ…どうして…ゲホッ」
俺は呆然としていた。
「ハァ…ハァ…明…聞いて…」
光海は辛そうな顔をして口を開いた。
「覚えている…かな? 私達ずっと前に1度出会ってたんだよ?」
「それって…まさか…あの時の?!………うッ」
ドサ
今後は俺も倒れてしまった。
「そう…種をくれたよね??」
光海の呼吸が荒くなってくる。
「あぁ…」
段々俺は意識が朦朧としてきた。
「あの種…ワスレナソウっていうんだよ…毎年春頃…私の庭で沢山咲くんだ…」
「そうなのか…」
「う…ん…あの…さ…」
光海はもう俺と目線が合わない程弱っている…
「なん…だ?」
「手…繋ご?」
「わかった…」
俺はぼやける視界の中光海の手を探して、ゆっくり手を握る。
光海もゆっくりと手を握ってくれて笑みを浮かべた。
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