終わりの始まり

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「畜生、税金いただいてんだろうが…」 虎鉄は訳のわからない状況の中、警察に悪態をつきながら考えを整理していた 「……ぅ~」 「?」 かすかなうめき声と共に先ほど蹴り飛ばした男が起き上がった 「な、なんだってんだ…? 本気で蹴ったんだぜ?」 先ほどからぴくりとも動かなかった男が何事もなかったかのように立ち上がる 男の口の周りに着いた真っ赤な他人の血が異常さを物語る しかもその男の首にも女性と同じ傷ができており シャツを赤く染めている 「生きてるわけねぇよな……」 フラフラと覚束ない足取りで近づいてくる男 「こっちくんじゃねぇよ!」 虎鉄はもう一度男を蹴った するとまた人形のように吹き飛んだかと思えば 何事もなかったかのように立ち上がる 「人を食って、殴られても痛がる素振りも見せねぇ…となれば間違いなく人間じゃねぇ…」 しつこく立ち上がる男を見て虎鉄は冷静に対処法を考えていた
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