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「お帰りですか?」
タイガが声をかける。
「はい。」
エリカは落ち込んだ様子で返事を返すと
「では近くまで送らせていただきます。」
「ありがとう。」
エリカはそう言ってタイガの車へと乗り込んだ。
無言のまま洋楽だけが車内に響く。
エリカは気まずい空気に堪えやっと自分の知る土地に着いた事を実感し
「ありがとう。ここでいいよ。」
タイガは車駐車させる。
「あの~エリカさんでしたっけ?」
タイガは確認をとるように尋ねると
「お頭の事よろしくお願いします。
お頭はエリカさんに危険な目に遭わせたくないから断ったんだと思います。
あんなに嬉しそうなお頭久しぶりに見ました。」
とタイガが言うと
「聞いてたの?」
エリカはからかうように尋ねると
「はい。」
タイガはバツのわるそうな顔で答える。
「ほんとみんないい人だね。」
厭味っぽくタイガに言うと
「でも、ありがとね。」
そう言ってエリカは家路に歩を進めた。
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