6人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから四年、少年は今日、誕生日を迎える。
今夜は、孤児院でささやかな誕生日パーティーが開かれた。
誕生日とはいってもいつ生まれたのかは、ここにいる皆わからないので、孤児に来たその日を「じいや」がお祝いしてくれるのだった。
「カイト~!!
こんなとこにいたのかよ。」
ベランダで一人佇むカイトにハヤトは声をかける。
「あぁハヤト。どうした?」
「どうしたじゃねぇよ!!
今日の主役を探してたんだよ!!」
「あぁ悪い。すぐ行く。」
「わかった。絶対すぐ来いよ!!」
「媽媽(お母さん)、、、。」
左手のリングの「杜嘯栄和優子向永遠(杜嘯栄と優子永遠に)」と書かれた文字を見つめて、そっと腰をあげた。
「そろそろ戻らないと、またハヤトがうるさいだろうな。」
最初のコメントを投稿しよう!