*第二章*

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「彼女、おかしいヨ」 「おかしいって、どこが」 「俺はこんな目だからカ分からないけド、よく、妙なものが見えるんダ。霊魂や妖精の類のものだ」  ディーンは興味深げに眉を上げた。「へえ、そうなんだ」 「フィルは妙だ。人間なのに、人間じゃない。人より薄いんだ、魂が」  そう言うシンの顔は真剣で、冗談を言っているようには思えない。 ディーンは思う。 まいったなぁ、と。 「それを知って、俺にどうしろって?」  言いながら、自嘲的な笑みが浮かんだ。 シンは痛々しい目でディーンを見る。 青と金が、憐れみの光を反射した。  ディーンは、ぽつりと呟く。 「フィルが人間じゃないってんなら、俺だって変わんねェようなもんだ」 「お前、気付いて――?」 ディーンはシンの驚愕の声を聞かぬ素振りで無視し、部屋へと戻って行った。
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