*第二章*

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 ヒレアス国は夏の国だ。 春と秋と冬が無いと言う事ではなく、活火山であるククナ山のふもとにあるからだ。 ククナ山を風上に置いているヒレアスへと吹く風は、熱風に変わる。 その熱風により、年中、夏のように蒸しかえるのだ。  ククナ山はどういう訳か季節が夏に変わると活動を休止する。 なので、ヒレアスの気候は春と夏が暑く、秋と冬が暖かい。  そして今は春。 空から降り注ぐ陽光とククナ山から降りてくる熱風とで、町は五十度と、低温の蒸釜のような暑さとなっている。
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