*第二章*

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「財務大臣は私なんだから、好きにさせろっつーの」  ぶつぶつと文句を言っていると、隣から声がかかった。 「その金も永遠にあるわけじゃねェだろ。節約しといて損する事なんてねェんだからな」  どうやらディーンの買い物が済んだらしい。 「で、次はどうすんの? 私そろそろ探したいんだけど」 ここの前に寄った町で、『黒髪隻眼の男』に関する有力情報を得たのだ。 なんでも、ヒレアス国のとある伯爵邸に、それらしい男が居るとの噂だった。 「そうだなぁ、探せば良いんじゃね? どうせ人違いだろうけどさ」  ディーンはフィルの探し人に対し、しばしば否定的なことを言う。 見つける気が無いのか見つけたくないのかは分からないが、非協力的極まりない。 「別に良いけどさ、荷物だけ宿屋に置かせて」
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