*第二章*

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 言い終わるが早いか、ディーンに、黒い塊が突っ込んで来た。 一瞬の事にも関わらず、その反応は素早かった。 身体を少し右にずらし、そこに左足だけ残す。 それに引っかかり、勢い良く倒れる男を、後ろから素早く覆いかぶさり、その右手を腰の後ろへギリ、と締めた。 「せっかくの恩人に何の真似? 殺すわよ」  冷たいフィルの声。 危うい状況にも関わらず、男は大声で笑った。 「あっはははは……! 分かっタ分かっタ、すまン! 俺の名前はシン・コムン。頼ム、話を聞いてくレ。あと、腕も放してくれないカ? これすっごい痛いんだヨー」
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