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「ティカがね、看病しながら言うんだヨ。『私(わたくし)を外の世界へと連れていって』と。『こんな牢獄で生を終えるのは、あまりにも酷だわ』と。ある程度回復したかラ、俺だけは抜け出せて来れたけド……ティカを連れて来れなかったんだヨ」
ティカというのは、ティクラーナの愛称だろう。
ふと、シンの目に力が宿る、ディーンは嫌な予感に眉を寄せた。
「お前らの腕を見込んで頼みがあル! ティカを連れ出すのに、力を貸してくレ!!」
予想通りの懇願に、ディーンの答えは早かった。
「断る。あいにく、一国に目を付けられるような馬鹿はやりたくねェんだ。こっちにも、この国でやんなきゃなんねェ事があってね」
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