*第二章*

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 シンは不敵に笑い返した。 「愛する者のためなら、えんやこりゃだヨ」  そこで、「よし! じゃあ……」と、フィルが締める。 「作戦は月が真上に昇った頃から沈むまでよ! それ以上は無理だからね。あと、シンは何があっても表門の様子を見に来ない事。分かったら、解散するわよ」  言うやいなや、荷物を纏め始めたフィルに、ディーンは溜息を吐く。 と、シンがディーンの服を引っ張った。 「ちょっといイ?」と言うその意味深な目に、こくりと頷く。 フィルは荷物纏めに集中していた。 自分の鞄を背負い、ディーンはドアを閉める。  声を潜めたシンが振り向いた。
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