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「もう、見つけたから。この町で」
「……殺したの」
困ったような笑顔は、彼の肯定を表しているのだろう。
フィルは「ふぅん」と気のない返事をして、少し黄ばんでいるマグカップを受け取る。
「私もね。人を探してるの。全く知らない人なんだけど、どうしても会わなきゃいけない人なの」
「――どんな?」
「あんた知ってる? 『隻眼(せきがん)黒髪の男』」
ふむと考え込んだディーンは、思いつかなかったのか、へらりと笑って答えた。
「黒髪なら、俺もそうなんだけどね」
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