【守りたい】

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恵理『なんかすみません…初めて会ってこんな話しをしてしまって…』 大地『とんでもない、聞いたのはこっち…気にしないで下さい』 恵理『良く、徳永さんの話しをオーナーやスタッフの方から聞いていたからですかね…話し安くて…つい…』 大地『少しは気が紛れました?』 彼女は『はい、すみませんでした』と笑顔を見せる また…寂しい表情をする マサやんの送別会も絞めに入った みんなの前で挨拶を始める マサ『ええ…本日は私如きの為に……このご恩は一生の……本当にありがとうございました…』 盛大な拍手が鳴り響く… マサやんの顔は涙と鼻水でクシャクシャだ 酔いも手伝っているのだろう 従業員『タクシー来ました!』 マサやんは[夕焼け]を抱え 深々とお辞儀をしてタクシーへと滑り込む 暫く、皆で手を振る… 大地『今からキクちゃんと呑み直すけど、来るかい?』 恵理『ありがとうございます…けど…主人が』 大地『うんわかった、じゃあまたの機会に是非…』 恵理『はい…必ず…』 彼女はタクシーを停めた みんなに軽く会釈をしてタクシーに滑り込む ドアが閉じる… 見えなくなるまでテールランプを追いかけていた… 二階堂恵理… あの寂しい表情は、いつしか笑顔に変わるのだろうか 事情は兎も角として世間体とやらは一体どこまで人の幸せを吸い取るのだろうか… そこに住みつき 依存している悪魔よ 理不尽だ キクちゃんと次の店へと歩いた 東通り商店街 梅田一の飲み屋街 すれ違う人と時折肩がぶつかりそうになる キクちゃんの同級生がやってるスナック『小町』に入った ママ『あら、キクちゃんにダイちゃん…いらっしゃい!』 キク『マサさんの送別会の帰りや』 ママ『あらそう…いよいよ独立か、マサさんなら大丈夫やわ』 テーブルに焼酎が用意される ママ『ケイちゃん…お願い』 新人だというケイちゃん 少しふくよかだ ミニのワンピースが苦しそうだった ふき出しそうになったが、自分から『ママの借りてるんです』と、暴露したから許してあげた ケタケタ良く笑う明るい良い印象の女の子だった グラスに焼酎が注がれる 4人で乾杯… お客様の割りには女の子が少ないのかママは行ったり来たりと忙しなかった 二階堂恵理の事を考えていた 無事に着いただろうか… 叱咤され… 手を挙げられてないだろうか
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