【守りたい】

6/10
前へ
/201ページ
次へ
そんな事はわかってる 俺もいい大人 そんなんじゃない 俺は恋愛を封印した 誰も愛せん… けど、二階堂恵理が確実に封印を解き始めているのを感じる キク『その内離婚するよ、時間の問題やわ、できる事は恵理ちゃんにしてあげるつもりやしダイちゃんは気にせんでええわ』 大地『えぇ…』 何となく… 何となく このままでは二階堂恵理は不幸の塀の中で、生涯、悪魔と過ごしてしまう気がしていた 何となく… 何となくではあるが早紀もそうだったではないか もっと早く気づき、もっと早く手を打っていれば… ーー悔いが脳みそをつついていた…ーー マサやんの送別会から幾日が過ぎた 加代『大地さんマサさんから案内状が届いてますよ』 加代ちゃんから案内状を受け取る [12月24日15:00オープン!] イブの日にオープンとはマサやんらしい いつも自分をお洒落に包み女性に優しい きっと、お洒落な店に違いない 大地『加代ちゃんどうするん?マサやんのオープン行くんかい?』 加代『勿論!行きますよ、香里もいいですかね?』 大地『もちのろんや、マサやん喜ぶで』 加代『ええ、楽しみですね…』 二階堂恵理は来るだろうか イブの日だ 〈ラ・ヴェール〉も忙しいだろう… 送別会で二階堂恵理の存在 事情… 寂しげな表情… あれ以来頭の中から離れる事はなかった 何もしてあげられない する必要もない… しかし二階堂恵理は確実に頭の中で膨らみ… 脳みそをつつく… 大地『加代ちゃんちょっと出掛けるし後、頼むで』 バンを走らせる 師走の御堂筋 クリスマス色で一色だった 歩く人はコートに身を包み 背中を丸めている バンは南港へと走る… ポケットの携帯が震える… ー着信…ボスー ボス『ダイちゃん!今大丈夫?』 大地『ええ、大丈夫です』 耳が痛い… ボス『今どこ?…あっそう、今日空いてる?…あっそ…大将の店行かない?…うん、今、市場…7時に、んじゃ!宜しく』 珍しくボスの誘い 多忙なボスは毎日のように全国を飛び回っている なんの話だろうか ボスが潮山海に呼び出す時は必ず何かある 心当たりはなかった 時間まで南港で時間を潰していた 今日はやけに風が強い 煙突から上がる煙りは真横へ流れてる… 二階堂恵理の事を考えていた
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!

345人が本棚に入れています
本棚に追加