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その日キクちゃんを呼んで三人で[小町]で朝まで呑んだ
次の日、二日酔いで頭が痛い
単なる飲み過ぎ
ボスに嫌というくらい呑まされた
ボスが席を外す度に、キクちゃんに嫌というくらい二階堂恵理の事で釘をさされた
加代『大地さんお酒匂いますよ、大分飲まれたんですか?』
大地『匂う?呑んだ、しこたま呑んだ、朝5時まで…ボスとキクちゃんで』
加代『ハイこれ…』
加代ちゃんがガムを一枚差し出す
大地『サンキュー!ちょっとコンビニ行ってくるわ』
ボスから預かった加代ちゃんのボーナスを入れる封筒を買いに行く
加代ちゃんきっと喜ぶよなぁ
ボス…
あんたは最高のボスだよ
大地『加代ちゃんちょっと…』
店の奥の小さい事務所に加代ちゃんを呼んだ
大地『昨日ボスからこれ預かって…加代ちゃんにって』
加代『何ですかこれ?』
大地『ボスからのボーナス頑張って店を切り盛りして売上も上がったから臨時ボーナスだとさ、香里ちゃんにクリスマスプレゼントでもしてやれって言ってた』
加代『…でも、私なんにも、それにこんなにたくさん…』
大地『ボスの気持ちだ、うん…男前の気持ち』
加代ちゃんは大粒の涙を子供のようにポタポタ流して封筒を握りしめていた
嬉しいよな…
お金じゃなくて
ボスの気持ちが…
加代ちゃんは携帯を取り出しボスにお礼を何度も何度も繰りして
声をしゃくり上げていた
12月24日
マサやんの店オープンの日
当日は朝から大忙しだった
スタンド花やアレンジに花束
お得意先からの注文が殺到した
ありがたいが当日注文が重なって、加代ちゃんと二人でバタバタしていた
そこへ来て今日はクリスマスイブ
プレゼントのアレンジや花束の注文も重なり、テンテコマイとはこの事か…
二階堂恵理の事を考えていた
マサやんのオープンに来るだろうか
この忙しさの中で
頭をよぎる…
大地『加代ちゃん…休憩とりや…』
加代『はい、でも間に合いますかね?』
大地『大丈夫!間に合う!秘密兵器があるし、これ仕上がったら一旦マサやんとこ並べてくるから、後はアレンジと花束を仕上げるだけや、花束は加代ちゃんに任せるし…これが秘密兵器!』
加代『えっ!私が造っても?えっ!…はい!造ります!嬉しい!』
大地『助かるよ、ほなっマサやんとこ行くしちゃんと休憩とりや…』
スタンド花をバンに括り付けマサやんの店へとバンを走らせる
街はクリスマス一色だった
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