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天都の叫び声を聞きつけて、父親が天都の部屋のドアを開けた。
「煩いぞ天都!!」
父親は叫び続ける天都の髪を掴んで殴った。衝撃で髪が何本も抜ける。
「お前は静かに着替えも出来ないのか!このカッターの傷はなんだ!!」
天都の一番傷の多い部分、左腕を踏みつけて父親は言った。
「哀れんで欲しいのか?同情が欲しいのか!?この死に損ないが!!」
父親は天都の腕を踏みつけた侭天都の頭を殴りつけた。
そうやってしこたま罵声を浴びせ、殴りつけ、天都が黙る迄父親はなぶり続けた。
そして裸の天都を汚し、こんな捨て台詞を吐いて部屋から出て行った。
「お前はずっとそうやって黙って居れば良いんだよ。お前は俺達の道具なんだから」
バタンと閉じられたドア。光の世界へと続く唯一つの道。希望を閉ざされた天都の瞳からは、音もなく静かに雫が流れるだけだった。
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