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俺が気がつくと、既に俺の左右に妹が座っていて、場がセッティングされていた。
「ようやく気がつきましたか。変態」
「俺は…訂正すんの面倒」
『くー兄、変態?』
この子はもう一人の片割れの紅染山(モミジ)である。
ここまでくれば解ると思うので説明が面倒だが、全て母さんが名付けた。それぞれ気に入っている。ちなみに、母さんは神楽(カグラ)。
閑話休題、紅染山は生まれつき声帯が無い。なので、スケッチブックを持っているが、家ではフリップに書いている。
『………見る?』
と、自分のスカートを少し持ち上げる。
「わかった。きっちし訂正するよ。俺は変態じゃない」
紅染山は納得してスカートから手を離した。少し残念そうに見えたが気のせいだろう。
「もう、話してもいいですか?」
「ああ、いいよ。あっ、降氷ジュースを零すな。あとで俺がやることになるんだから」
「あなたについて調べたところ、昨日面接で途中退席したそうですね」
「ああ、服にまで零してるし。ああそうだよ、眠かったし面倒だったし」
「あちゃー、すぐ脱がないと」
「それでは、その高校は落ちましたわ。まあ、そのおかげで私が助かったわけですし」
「こら、こんなとこで脱ぐな。SPのおっさんらが気まずそうに目をそらしてるだろ」
「はーい、部屋で着替えてくるよ」
「だから、私を助けてくれたあなたにお礼として」
『くー兄、眠い』
「あー、朝早くに起きたからな。ほら寝て良いぞ」
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