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「ちょっと、聞いてますの!!」
「…静かにしろ。紅染山が寝れないだろ」
「あっ、すみません」
「で、どちらさんですか?」
思い出してみると名前を聞いていなかった。
「そう言えば名前を申していませんでしたわね。私の名前は犀禪 絢奈(サイゼン アヤナ)、あの有名な犀禪グループ令嬢ですわ」
「知らねー」
「あなたのような一般市民でも世界で五本の指に入り、日本で最大の犀禪グループ、その娘の名を知らぬ訳が……って、知っとらんのかい」
「お嬢様、言葉遣いが」
「あっ、オホン。まあ、それは置いといて、これからの話をしましょう」
「あっ、篠原さん。そこの押入から膝掛け取って」
「ああ、わかった」
「先程申しました通りお礼をしようかと思いまして」
「着替えて来たよーって、紅染山いいなー兄ちゃんの膝枕」
「そんな羨ましからずに降氷も来たらいいだろ」
「あなたは高校を落ちていますので、私達が入らさせてあげます。ただし」
「やったー」
「跳んでくるなよ。脚が痛いだろ」
「私の……………って、聞いてるのか!途園逆白!!」
「ああ、聞いているから怒鳴らんでくれ。妹たちが起きてしまう」
「そうですか。では改めて、高校に入れてあげる代わりに私の執事になりなさい」
犀禪さんはあまり豊満とも言えない胸を張りながら宣言した。
だが俺の答えは
「間に合ってます。結構なんでお引き取りを」
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