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「はぁ!? 影武者!?」
マコトはシャワーを浴びて、いつの間にか洗濯してあった自分の服に着替えた。
今は、香弥の部屋でお茶を飲んでいる。
「そうです。奏之介様を狙う輩がいるんです。それを突き止めようと思って」
香弥は、優雅にコーヒーを口に運んだ。
「かっ、影武者っていつの時代だよ。奏ちゃんを狙うってなんだよ」
「奏之介様が小さい時は、よくあったんです。可愛いから連れ去られそうになったり……身の代金目的だったり……最近は無かったんですが、この前、奏之介様が一人で帰宅してる時、何者かに襲われたんです。周りにいた人が気が付いて、逃げ切れましたが」
「……その、身代わりを私にやれと?」
なんて無理矢理な話だ。
「はい!! 背格好がぴったりな方を探していたんです。なかなか奏之介様のような華奢な男性はいらっしゃらなくて……。まさか女性だとは」
「女で悪かったな」
「それに、車にぶつかりそうになった時の身のこなし!! 頼もしいです!」
「男に生まれれば良かったかな」
香弥は嬉しそうに、爛々と話す。
マコトは冷ややかな目で見た。
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