其ノ一 「ん?あれ?」
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さすがに雨が降っているから自転車では帰れない。 「しゃあねぇ、歩くか…」 面倒臭そうに言うが、優希の家は学校から歩いて約35分程度で着くのだ。だんだん雨が強くなっていく。 雨音が五月蝿(うるさ)くイヤホンから聴こえる曲が良く聴こえない。 ふと前を見ると同じクラスの美由がジャンパーを傘代わりにして歩いていたのだ。 さすがに…可哀想だな。 可哀想なんて思わなかったら良かったのに。
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