リロード

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静かな部屋に、携帯で文字を打つ音だけが響いている。 「…好きだよ」 「…わたしも」 「恥ずかしいね」 「うん(/□\*)」 僕達は、想いを打ち明けていた。 携帯電話を片手に。 チャットの空間の中でしか逢えない、愛しい人。 星花と僕は、文章から互いの姿を想像することしか出来ないが、逢えないからこそなのか、想いを素直に話し、言葉で愛情を確かめ合っていた。 突然、部屋から追い出された。 入室時間が0になってしまったらしい。 僕は慌てて部屋に入り直す。 入室時間6000秒。 5995… 5990… 5985… 5秒毎に一回、リロードを押す。 そのたびに星花を待つ一秒一秒が、ものすごく長い時間となって、僕の胸を締め付ける。 3752… 入室者がひとり。
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