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「ごめ~ん💧待った?」
星花だった。
「いや大丈夫だよ。あっという間に時間経っちゃったね。」
僕は一秒でも早く返信をしたくて、急いで携帯のボタンを連打した。
「もう寝よっか。明日も早いし」
時計を見たら既に日付が変わっていた。
「そうだね。寝坊すんなよ。笑」
「英紀こそ。笑」
「おやすみ。また明日ね」
僕達は、一度も逢ったことがない。もちろん、顔も知らない。
知っているのは名前と、年齢と、家族構成に趣味ぐらい。
でも僕達は、真剣に想いを寄せていた。
周りのみんなは「それって…サクラじゃないの?」「顔も知らないのに好きだなんておかしいよ」なんて言いながらバカにしてくる。
僕も、最初はそうだった。文字だけの恋愛なんてありえない。学校が終わった後、バイトへ向かう途中の暇つぶしに、チャットのサイトを見てはチャットで時間を浪費してる人達を観て、バカにしていた。
星花と出逢う前は…
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