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鳴り響く鐘の音。 すごく煩い。 私は、茶色の重厚な扉を睨みつける。 いや、実際には扉の向こうにいる人物を。 そんな時、不意に手を差し出され私は我に返った。 父上が私に険しい顔をして、手を差し出している。 私は父上を安心させるように無理に笑って見せる。 もう、決めたことだから。 だから後悔はしない。 父上の手に自分の手を重ねて私は自分に言い聞かせる。 このドレスはあいつの為に着たものじゃない。 大切な人、国民達の為に着たウエディングドレスだ。 みんなを守るためなら私は自分を犠牲に出来る。 その瞬間、パイプオルガンが鳴り出した。 ・・・入場の合図だ。 私たちの目の前の扉がゆっくり開け放たれる。
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