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扉の向こうには、祭壇まで続く赤いカーペット。 赤いカーペットを挟むように設置された参列席。 参列席の右側は私のよく知る人々が座っている。 みんな顔が険しいけど。 父上がゆっくり一歩を踏み出した。 私もそれに続く。 祭壇には神父様とあいつが私を待っている。 私は目を閉じた。 神様、どうかお許し下さい。 私は今日、貴方の前で嘘をつきます。 でも、どうか私の大切な人々をお守りください・・・。 私は祭壇に奉られた十字架に祈り、目を開く。 そして、あいつの前に着いた。 あいつは笑顔で私に手を差し出してくる。 私は父上の手に乗せていた手をあいつの手の上に重ねた。 もう、私は後には引き返せない。
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