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「うん。今の関係が壊れるのが」
「・・・」
ソウは何も言わずに、花月と同じように空を見上げた。
花月の気持ちが痛いほどわかる。
仲が良ければ良いほど、関係を失うのが怖い。
だけど・・・。
「リゼル、もうすぐ行っちゃうのに言わなくていいの?」
言わなきゃ絶対に後悔する。
一生逢えなくなるのなら尚更。
花月は空から視線をソウに移す。
視線を感じたソウも花月を見る。
「・・・うん。言ったら、お姫さんが辛い思いをするだけだから」
そう言って笑う花月の笑顔は、見ている者の心臓をギュッと締め付けるようにせつない。
「辛い思いをするのは、俺だけでいい。俺の思いを知らなければ、この恋は叶うことは最初から無かったんだって思えるでしょ?だから言わない方がいい。それがお姫さんの幸せだよ」
「でも、好きな人と一生逢えないのは・・・辛いよ」
ソウは俯いて言う。
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