想い

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「伝えたとしても一生逢えない。だから・・・言わない。辛い過去として俺を忘れてくれればいい。これが俺の愛し方だから」 「花月・・・」 何か言いたそうなソウ。 花月は首を横に振る。 「俺のことより、ヴィアのところに行って。風邪引いて戦ってる最中に倒れたんだ」 「え!?」 「俺、水貰ってから行くから先に行ってて」 「わかった!」 ソウは驚きながら頷くと、城の方へ走って行く。 花月はソウが見えなくなってから、歩き出す。 自分の幸せより民の幸せを願ったリゼル。 だから、オルゴールをリゼルに渡したときに自分も決意した。 リゼルに想いを伝えることも引き止めることも出来なかった。 だから、リゼルがどこに行っても、誰と一緒になってもずっと見守り続けよう。 守り続けよう。 それしか、出来ないから。 臆病な自分にはピッタリだとそう思った。
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