想い

10/20
前へ
/568ページ
次へ
リゼルはヴィアの寝ているベッドの横に椅子を持って来て、じっとヴィアの顔を見る。 顔は真っ赤で息は荒く、かなり苦しそうだ。 リゼルは心配そうにため息をつくと、ヴィアの額の上に乗せたタオルを取る。 さっき乗せたばかりなのに、タオルはもう既に熱い。 リゼルはそれを氷水を入れたボウルの中に入れて濯ぐと、きつく絞り額に乗せてやった。 「全く・・・無理しすぎだ」 リゼルは真っ赤で汗ばんだヴィアの頬を撫でて呟く。 「花月、遅いな。水を貰いに行くだけじゃなかったのか?」 リゼルは不満そうに言うと扉の方を見たが、扉は開きそうにない。 自分が取りに行かないとダメか。 そう思ったリゼルはヴィアから手を離し、席を立つ。
/568ページ

最初のコメントを投稿しよう!

189人が本棚に入れています
本棚に追加