想い

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リゼルは困ったように笑う。 「私は頑張ってなど・・・」 「嘘つけ。お前だって一人で頑張ってるだろ?・・・一人で全部背負いやがって・・・」 ヴィアはそう言って起き上がる。 そんなヴィアをリゼルが慌てて、肩を掴んで寝かせようとする。 「ダメだ!寝てなきゃ!」 「・・・構うな」 「構う!安静にしてなきゃ、良くなるもんもならないだろ・・・!」 ぐっと力を込めて、無理矢理ヴィアを寝かしつける。 そして、落ちたタオルを乱暴に頭の上に乗せた。 「たく!面倒がかかるな!!!」 「悪かったな。面倒がかかる奴で」 冗談めかしたヴィアの言葉に、リゼルは何度目になるかわからないため息をつく。
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