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「私は・・・「いいよ。わかってるから、言うな」
リゼルの言葉を遮ってヴィアが言った。
「お前の本当の気持ちは知ってる」
リゼルは驚いた顔をする。
「好きなんだろ?花月が」
ヴィアは苦笑すると、リゼルの頬に手を伸ばし触れた。
「花月に伝えなくていいのか?もう、結婚したら逢えないぜ?」
ヴィアは自分の気持ちを最初からしていたのか・・・。
リゼルはため息をつき、自分の頬を触れる手に手を重ねた。
「・・・覚悟は出来てる。逢えなくても、想いは伝えない」
「何で?」
「決心が揺らいじゃうから・・・。言ったら、一緒に逃げたくなってしまう」
「逃げればいいじゃないか」
「ダメだ。私は国を背負ってる」
リゼルはそう言って笑うと、頬に触れるヴィアの手を布団の中に入れた。
「この話はこれで終わりだ。また熱が上がったんじゃないか?少し寝てろ」
「・・・わかった」
ヴィアはそれ以上何も言わずに目を閉じた。
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