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『お前の事が好きだ』
扉の向こうから聞こえたヴィアの真剣な声。
ソウは、ゆっくり掴んでいたドアノブを放した。
盗み聞きをするつもりはなかったのだ。
ただ、部屋に入ろうとした瞬間聞こえてきて、聞いてしまった。
どうしよう、泣きそう。
ソウは頬をギュッと抓る。
泣いちゃダメだ、自分の気持ちがばれてしまう。
帰ろう。今はヴィアに会えない。
ソウは心に決めて、来た道をを戻ろうと向きを変えると、前から水を持って花月が歩いて来た。
「あれ?ソウどうしたの?」
花月は不思議そうに首を傾げた。
やばい。今声を出したら泣きそうなのに。
だけど、無視するわけにはかない。
「あ・・・よ、用事を思い出したから帰らなきゃ・・・」
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