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「すぐに帰らなきゃダメなの?だってまだ、会ってないだろ?少し話してからでも・・・」
ソウは首を横に振り、無理に笑う。
「いますぐに資料を、渡さなきゃいけないから」
もうダメ。これ以上は我慢できない
ソウは俯き、足速に花月の横を通り過ぎる。
「・・・じゃあ、またね」
そう言い残して去るつもりだったのに、腕を花月に掴まれた。
「おい、ソウ」
「・・・」
ソウは俯いたまま何も言わない。
花月はため息をつき、ソウの顔を覗き込む。
「何、泣いてんのさ?」
「・・・泣いてない」
強がってみても、声が掠れてるし涙が止まらない。
「何かあった?」
「別に」
「ソウ」
「何でもないし、話してもどうにもならないことだから!」
ソウは花月の手を振り払った。
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