最後のわがまま

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「この服は持ってく・・・。あ、でも、これはいらんな」 「姫様、これはやはり必要では?」 ベッドの上に広げられたドレスを手にとり、リゼルに見せるローレル。 リゼルはさっき必要だと言った服をスーツケースに仕舞いながら首を横に振る。 「フリルが派手過ぎる」 「でも、こういうのも必要ですわ」 そう言ってローレルは、綺麗に畳んでスーツケースに入れた。 「私の拒否権が無いじゃないか」 不満げに言うリゼルにローレルは微笑む。 「姫様に拒否権をお与えになったら、淑女らしい服が無くなってしまいますわ」 「・・・」 リゼルは無言になると、白いワイシャツを手に取る。
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