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「ありがとうございます。でしたら、多少のメールのやりとりもいいのではないでしょうか?」
「…そんなの…楓だけずるいよ」
楓さんの言葉に桜花が反応したが、俺には聞こえなかった。
でも、楓さんは聞きとれたようだった。
そして、2人だけでヒソヒソと話し始める。
って俺、耳遠くなったのか?
「でしたら、お嬢様メールのやり方を覚えればいいのです」
「私が機械がダメなの知っているだろう。それに何度も楓が教えてくれたのに結局わかんなかったんだぞ」
「それは、お嬢様が最初から諦めて出来ないと決めつけているからです」
「そんな事ない…が、しかし出来ないものは出来ないのだ」
「孝志さんに教えて頂いたらいいのではないでしょうか?」
「なっ、なんでアイツなんだ!楓が教えればいいだろう」
「ですが、やはり同年代の携帯電話を使いこなす高校生に教わるのが一番の近道かと」
「で、でもっ、1回メールなど簡単だと言ってしまった手前、教えてなどとは口が裂けても言えないぞ」
「そんな意地は要りません。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥ですよ。お嬢様」
「ううぅ……だが、しかし」
「孝志さんちょっとよろしいですか?」
ウーウー唸っている桜花をよそに楓さんが言った。
どうやらヒソヒソ話は終わったみたいだな。見事に俺1人蚊帳の外だったな、
にしても、何を話していたのかめっちゃ気になる、けど聞けない。
「なんですか?」
「実は、お嬢様なんですが、携帯電話の機能が上手く使えなくてですね。私もわかる質ではないので、少し教えて頂きたいのです」
何を言われるのかと思ったらケータイの使い方ですか。
セレブのケータイは特殊機能が一杯ついてるとかなのか?
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