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「おっこれ新しいヤツじゃん」
桜花が出したケータイは最新のモデルだ。
「さすがだな。んじゃあまず、俺の送るよ。赤外線どこ?」
赤外線でアドレスを送るのを待っていると、桜花のケータイからはピ、ピと無機質な電子が聞こえ、桜花は難しい顔をしていた。
ピ。ピ。
「うぬぬ……」
最新のケータイは機能が複雑になったのだろか?なんか設定を解除したりするのだろうか?
それだったら非常に面倒な事なのだが、
それとも、さっき楓さんが言っていたようにケータイが苦手で赤外線がわからないのかもしれない。
「お、桜花?やろうか?」
依然としてケータイをピコピコ鳴らしている桜花に聞くと、キッと睨み、
「少し待ってろ!!」
「あ、あぁ」
と、仕方ないので待つことにした。
唸りながらもケータイと格闘している桜花がどこか微笑ましい。
楓さんも、そんな桜花を優しい眼差しで見守っている。
しかしながら、なかなか待つのも暇なもので、
「なあ、ケータイどんな感じか少し触らせてくれないか?」
「気が散る、黙れ」
見事にはね除けられた。
「そんなに複雑なのかそのケータイは?」
桜花用に改造されてるとか?
「黙れと言ってるだろ。……機能がありすぎて訳がわからないんだ」
「普通にメニュー画面にあると思うんだけど」
すると、ピタッと桜花の動きが止まり、こちらを見てきた。と思ったら、ケータイを投げつけられた。
さすがに本気ではなく軽くだったが、至近距離の為顔面で受ける事になった。
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