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「な…なに撮ってるんだ貴様!!早くそれを消せ!!さもないと貴様を消すぞ」
顔を赤くして、ケータイを取り返そうと腕を伸ばしてくる。
何気にヤバい事を言っていたが、伸びてくる腕を反射的にかわした。
「すぐ消すからそんなに怒るなよ」
「貴様が変な事をするのがいけないのだ。とにかく早く消去しろ」
その場でぐっと睨みつける。
俺は素直に桜花の要求に応じ、画像を削除してやった。
削除する前に、手早く自分のケータイに転送させておいた。
「ちゃんと消しといたから。あとついでにアドレスの交換やっちゃうね」
赤外線でサクっとアドレスを交換してケータイを桜花に返した。
「データフォルダ見てみ、さっきのないでしょ?」
「うむ…確かにない。ちゃんと削除してくれたみたいだな」
「まあな。ってか、思ったんだけどケータイほとんど弄ってないだろ?」
「ちゃんと、電話として使っているぞ」
「いや、そうじゃなくて、設定とか他の機能とかだよ」
「ふっ、電話という通信手段が使えれば必要ない」
まあ、連絡が取れるのが大事だけど、なんかもったいない気がする。
余計なおせっかいだろうが
「あっそう、まあ本人がいいって言うならいいけど、でも、流石にボタン押した時になる音は消した方がいいと思う」
『この音の事だな』と言い、ボタンを押して音を出してみせた。
「確かにこれは、少々疎ましいんだが、どうすれば消えるかわからない」
言ってから直ぐにはっとして
「いや、今のは違うぞ!消し方がわからないんではなくて敢えてこうしているんだ」
「いやいや、疎ましい言ってたじゃん。しかも、敢えてって言ってること矛盾してるから」
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