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「言ってない。断じて言ってない。聞き間違いだそれは」 あくまでしらを切り通したいらしい。 「はあ…いやもう、苦手なんだろ?そんなに意固地になんなよ」 「苦手ではない。わかりあえないだけなのだ」 それって、苦手だろうが 「…よし。かの有名な王は言った『王は全ての把握しなければならない。それを支えてるのが大臣。その大臣を支えてるのが民衆なのだ。国は1人だけのものではない。民衆がいてからこそなのだ。さあ皆の力を貸してくれ、今こそ我が国が一つになるときなのだ』と、わかるかこの意味?」 「……頭おかしくなった?」 残念な人をみるような、哀れんだ目でみてくる。 「十分正常だっての。せっかく俺が有り難いお言葉を言ってやったのに」 人の恩を仇で返すとは正にこの事だな。 せっかく、俺の好きな漫画の王様の言葉をそっくりそのまま抜き出したのに 「その王様とやらが言ってる事がさっき迄のとどう関係があるのだ?」 「いい質問ですね。それは、民が大臣を支え、大臣が王を支える。ということは?」 すみません。フレーズ借りちゃいました。テヘッ 「さぁ…」 ふっと鼻で笑ってやったら、物凄く睨まれた。 「それは、大臣は民がいて成り立つ。王は大臣がいて成り立つ。だから王は1人じゃない。周りの人がいるからこそなんだと、そう公式ファンブックに書いてあった」 「だから結局なにが言いたい」 回りくどい言い方にイラついたのか若干くいぎみに桜花は言った。 「まあ一言で言うと、周りを頼れって。だから、苦手なら苦手と言って欲しいって事」 結局。これを言うが為に、漫画のセリフを抜き出して回りくどくなってしまった。
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