477人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ……うん」
さっきの勢いは何処へやら、一気にしおらしくなる。
「んで、どうなんだ?」
「…苦手、だって…楓に教えたりして貰ったけどうまくいかなかった」
うつむきがちに桜花が答えた。
「なら。1人より2人だ。それに教えて貰って、全然分からない訳じゃないんだろ?」
「うん。まあ…」
「よし!じゃあ今からケータイ講座だ」
パンッと一つ手を叩き、俺の勉強から桜花の勉強に切り替える。
それからは、1時間程かけてじっくりと楓さんと2人で、桜花にケータイの使い方を伝授した。
所々で頭がパンクしそうになって爆発しかけたりもしていたが、なんとか我慢して頑張っていた。
いつも見ているツンとした桜花が、頑張ってケータイをピコピコしたりしてるのはなんとも言えなかった。
それに、全てが完璧な人間よりもどこか苦手な所がある方がより人間らしい。
結局、桜花にケータイの使い方を教えた所で、時間になり帰って行った。
一応一通り出来るようになってる。はず…
桜花達がいた数時間。テスト勉強以外もしたが、それも別にもったいないとは思わない。だって楽しかったから。
というか、しっかり教えて貰えたから自分でやってたよりもたぶん捗ってた。
そういえば、帰り際に『試験後を楽しみにするといい』と言っていたが、なんだったんだろうか。
ご褒美でもくれるのだろうか?いや、んな訳ないな。
最初のコメントを投稿しよう!