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「ふーん。美人な転校生ね、今の時期に珍しいな」 興味が無いと言ったら嘘になる。まあ男なら仕方のないことだろう、 でも、噂は噂で大したこともないだれうけど 「そうだね。どんな人なんだろうね」 「変な奴じゃなければいいけどな」 それから、美紀と別れ、自分の席に着き、担任が入って来て。 「はーい。夏休みに入る前に、今日は転入生を紹介しまーす。男は喜べー、飛びっきりの大和撫子だ」 「「「オオー」」」 先生の発言に男子から歓声があがる。 「じゃあ、入って来てくださーい」 先生が言うと、ガラガラガラと扉が開き、1人の美少女が入ってきた。 入って来るときにチラッとだが扉の所に誰かいたのが見えた。保護者? 黒板の前に堂々と立つ美少女は、黒髪のスラッとして綺麗な顔立ち……って桜花じゃん!!! 何でこんな所にいるんだよ!!? ええっ、いやマヂですか!? 1人パニクっているのをよそに、桜花は淡々と自己紹介をしていき、 桜花が自分の名を名乗ると、他の生徒もまた呆気にとられ。『うそだろ』等との声が漏れ聞こえる。 それはそうだろう、何せ有名な凰樟院家の娘なのだから。 そんな周りを気にすることもなく、自己紹介という、ただ名乗るだけの場を抜け出し、俺の席の前に来て言い放った。 「今日からこの場ではアンタが楓の代わりよ」 いきなりなんだそれ。楓さんの代わりって執事でもやれってのか? 平和に過ごしたいのに…なんかもう、ややこしくなりそうな予感しかしないんですけど… はぁ…仕方ない。ここは一つ猿真似でも致しますか。 「はぁ…お嬢様の、おおせのままに」
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