両親の真実・私の過去

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正「じゃあ、いくよ………」 正斗兄が私の頭に手を置く。 正「解‼‼」 私は、頭の中のもやもやが一気に晴れていくのを感じた。 でも、それと同時に私が思っていた以上に残酷な光景が頭の中を巡る。 慧「っ‼‼‼‼‼」 叫び出しそうなのを必死でこらえこの嵐とも言える記憶が静まるのを待った。 どれだけの時間が過ぎただろう。1分かもしれないし1時間かもしれない。その時間が経った後に私はようやく記憶の嵐から解放された。 綱「だ、大丈夫?」 ツナが私に聞いてくる。 正直言って、全然大丈夫じゃない。 めまい、吐き気、頭痛。それらの病的症状も大丈夫じゃない原因だが、もっと酷いのは感覚だった。 むせかえるような血の匂いが嗅覚に。 今まで見たことも内容な地獄絵図が視覚に。 敵に殴られた時に切った口から広がる鉄の味が味覚に。 敵が死ぬときの絶叫が聴覚に。 そして、人を殺した時の感覚が触覚に。 五感全てから、私は衝撃を受けた。 私は、立っている事がやっとだった。 .
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