324人が本棚に入れています
本棚に追加
/397ページ
慧「あ……………」
私は、ひとつの武器の前で足を止めた。
その武器は、対になった2つの鉄扇。
まるで博物館にでも置いてあるような優美なフォルムで、その鉄扇は鎮座していた。
慧「綺麗………」
私は、その鉄扇に心を奪われた。
光沢のある表面だが、実に滑らかで肌触りが良い。
しかし、その端は刃物のように鋭く研ぎ澄まされている。
私はこれが武器で、人を傷付ける物だということをすっかり忘れていた。
ス「う゛お゛ぉぉい‼そろそろ時間だぜ‼」
スクアーロにそう言われた時、私は迷わずその2つの鉄扇を掴んでいた。
慧「これにする。」
ス「鉄扇⁉それ、本当に武器に使えるのか微妙なやつなんだぞ。」
スクアーロが親切に忠告する。
慧「良いの………私はこれが良い。」
私の言葉を聞いたスクアーロはそれ以上何も言わなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!