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正「昔の慧斗は、毎日の訓練から一般の人とは比べ物にならない身体能力と、格闘能力を身に着けていた。」
勇「しかし、あの事件がきっかけで俺達は慧斗に両親やその仕事に関する一切の記憶を封印した。」
慧「そこまは理解してる。」
来「でもな、暫くしてからある問題が出てきたんだ。」
慧「問題?」
問題?
私の体に何かあったの?
勇「記憶だけの封印だったから体はまだ、その能力をすべて出せる状態だった。記憶があるときは、意識してそれをセーブすることができてたけど、記憶が封印されている今、そんなことはできなかった。」
正「そうなるとね慧斗、学校とか普段の生活にとても支障をきたしたの。」
慧「ただ単に身体能力が高いだけで普段の生活に支障が出るの?」
来「ああ、毎日5分で学校に行くわ、学校の体育のバスケでダンクしたと思ったらリング叩き壊すわ、俺達との喧嘩で本気出してくるわで大変だったんだぜ」
慧「…………」
つまりこういうことだ。
記憶はないのに、体の能力そのまま持っていた私は、普通ならば全速力で走っても15分はかかる学校までの道のりを5分で行ってしまったり、体育のバスケで女子ではあまりないダンクを決めたと思ったら全力で叩き込み過ぎてリングを壊してしまったり、兄貴達とのからかいともいえる喧嘩に本気をだして、油断していた来斗兄を一撃でノックアウトしてしまったりしてたらしい。
無茶苦茶だな、私の身体能力。
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