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次の日も、私はマーモンを抱きかかえて入江の帰りを待っていた。
昨日の夜は、結構頭を働かせたせいか、すぐに寝てしまった。
結局結論には至っていない。
私の悩みは増えるばかりだ。
慧「はぁ~」
マ「ねえ慧斗、さっきから僕の頭上でため息つくのやめてくれる?僕の金運まで逃げていちゃうじゃないか。」
慧「ごめんマーモン……」
マ「……昨日よりも元気がないけど、何かあったのかい?」
私の変化に気付いたマーモンが心配してくれる。
慧「ううん、なんでもないよ。ちょっとボスの事で考え事してただけ。」
マ「なんだボスの事。それなら、そんなに悩まなくてもいいんじゃないかな。難しそうに見えて、答えはすぐそこにあると思うよ。」
マーモンが珍しく、私にアドバイスをしてくれる。
慧「そうかな~。深く考えない方がいいのかな~?」
マ「ボスに関してだったら、あまり悩まない方がいい。これは僕の経験からの話でもある。ボスは結構直感とか感情で動くところがあるから。」
慧「なるほど……。わかった、あまり深く考えないでみる。ありがとマーモン。」
私はマーモンにお礼を言った。
マ「別に。僕はただ、僕の金運が逃げて行ってほしくなかっただけだよ。」
マーモンはそう言うけど、絶対に照れ隠しだよね。
可愛いな、本当に。
マ「何も言わないで、僕をギューってするのやめてくれる?」
あら。
あまりの可愛さに、無意識のうちに抱きしめてしまっていたようだ。
慧「ごめん。」
謝ったけど、抱きしめるのはやめなかった。
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